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インプラントの「長い」歴史

「世界最古のインプラント」
世界最古のインプラント比較的新しい治療というイメージがあるインプラントですが、実は2500年もの歴史があるのです、と言ったら驚かれるでしょうか。

「失った歯を取り戻したい」と願うのは、人間としてごく自然な感情です。
それは現代人だけでなく、遥か太古の人々も同じように感じていたようです。というのも、これまで世界中で発掘された古代遺跡から、インプラントを試みたと思われる骨が見つかっているからです。

世界最古のインプラントは、1981年にトルコの古墳で発見された石製のインプラントで、紀元前約550年のものと推定されます。古代の人々は、装飾品として、また死後の世界で不便がないようにとの願いから、死者に対し、歯の抜けた穴に象牙や宝石などを埋め込んで埋葬していたそうです。

恐らく、このインプラントも宗教的な意味合いが強いものだと思われます。

「マヤ族のインプラント」
マヤ族のインプラント現存する最古の"成功した"インプラントは、紀元7世紀頃のものと推定されるマヤ族の20代の女性のものです。さすがは高度な建築技術や計算術を誇っていたマヤ文明といったところでしょうか。

1931年に発見されたこのインプラントは真珠貝で作られたものでした。現在、これはハーバード大学の考古学・人類学博物館に保管されています。

「人類の夢、インプラント」

「様々な素材・形状のインプラント」
人類の夢、インプラント人類は、あまりにも昔からインプラント治療を試みていました。

歯の代用品を埋める、という発想は比較的単純なものですから、歯の喪失に悩んだ古代人が、石や貝殻を埋め込んでいたとしても、さほど不思議はありません。インプラントは入れ歯とともに、歯がなくなったときの治療として、長い間主役の座を務めていました。

しかし当時のインプラントは、麻酔も無く、技術もなく、さらに材料も悪いため、成功率が低い治療でもありました。そのため、主役の座は、より安全に治療できる入れ歯へと傾いていきます。

それでも、入れ歯の機能的な限界(噛めない・違和感)を知る当時の研究者達は、インプラントを諦めませんでした。

中世ヨーロッパでは、象牙や牛の骨、あるいは健康な人の歯を使ったインプラントが確認されていますし、それ以降も鉄、金、サファイア、ステンレスにアルミニウムなどさまざまな材質で作られたインプラントが見つかっています。

人類にとって、インプラントは夢だったのです。

ブローネマルク博士の「発見」

このように気が遠くなるような年月を経て、インプラントは一つの金属とめぐり合います。それがチタンです。

チタンは他の素材に比べて極めて特殊な特質を備えています。それは「骨と結合する」という特質です。金属と身体の一部である骨が結合するというのは、信じがたい話かもしれません。
しかし、これは科学的に立証された事実なのです。

そのきっかけとなったのは、スウェーデンの応用生体工学研究所で所長を務めるブローネマルク博士による研究でした。
整形外科医でもある博士は、ある日、ウサギの骨にチタン製の器具を埋めて実験をしていました。
実験を終え、その器具を取り外そうとしたところ、不思議なことが起きました。強く引っ張っても器具が骨からなかなか離れないのです。よく見ると、骨と器具のネジがぴったりとくっついていました。この時初めてチタンと骨はくっつくということを博士は知ったのです。1952年のことでした。

この偶然の発見から、ブローネマルク博士はさまざまな医学領域にチタンを応用できると考え、チタン製インプラントを埋め込む動物実験を開始しました。
そして10年以上の歳月を費やし、チタンは人体に安全で拒否反応もなく、さらに骨と強固に結合するという結論にたどり着きました。

これが現在主流となっているインプラント治療の出発点です。

>>オッセオインテグレーション(骨とチタンの結合)について

国内での歴史

国内での歴史についても簡単に触れておきたいと思います。
国内のインプラント元年は1983年です。かのブローネマルク博士が東京歯科大学に来て自ら執刀手術を行ったことが始まりでした。

しかし、世界では長い歴史を持ちながらも、国内では新しい治療法であったインプラント治療は、普及に時間が掛かりました。
その後、ある国産インプラントメーカーがチタンではなく人工サファイアを使用したものを販売し、悲惨な結果が多発しました。失敗したインプラントの撤去を依頼されたのは主に大学病院の口腔外科です。ひっきりなしにインプラント撤去手術をしていた当時の外科の先生方の間では「インプラントは良くないものだ」との認識が広まることになり、懐疑的な見解を示す原因になっていたのです。

尚、当院がインプラント自体の品質にこだわっている背景には、こういった国内におけるインプラントの歴史が影響しているのかもしれません。

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